井草北商店会について

松嶌(まつしま)葉子

私が西武新宿線下井草駅から旧早稲田通り沿いに北に伸びる「井草北商店会」を支援するようになってから、早3年目に突入しました。初年度は東京都商店街支援事業の担当として、そして昨年~今年度にかけては、杉並区の商店街アドバイザーを拝命しております。

(1)これでいいの?-イベント重視の商店街施策

私は、井草北商店会以外にも、神楽坂上商店街組合や高円寺の商店街活性化提案等、5つの商店街支援に携わってきました。その中で強く感じたことは、集客力のある商店街ほど、公的な助成金を得てイベントを企画する傾向があり、イベントが商店街活動の核になっているということです。

元から集客力のある商店街が、より大規模な、または、既存イベントと時期をずらしたイベントにより更なる集客を図りたい気持ちは分かります。ただ、集客力のない商店街までイベント重視なのは、問題ではないかと感じています。

例えば、井草北商店会はバス通りに面していて交通が激しく安全に買物できないため、近年せっかく住み着いた大規模マンションの新住人などは、商店街を避けて裏道の住宅街を通ります。商店街の存在はおろか、どんなお店があるかも知られていない状況です。

ところが商店街では、毎年恒例の「ちびっこ夏祭り」の開催や区の地域イベントに労力を割き、商店街のアピールもしていません。これでいいのでしょうか? 私の目からは、商店街が地域や行政の期待に押しつぶされ、本来の“商人”の存在感を訴求していない…

(2)個店のアピールが私の使命

1年目にそんな疑問を抱いた私は、支援のポイントを「商店街のアピール=広報・PR支援」に絞ることにしました。年末セールのスタンプラリー折込チラシ裏面への商店街イラストマップの印刷やイラストマップ作成、会員店舗対象の「店内POP制作セミナー」の開催などです。

そして今年度は、「ちびっこ夏祭り」会場での商店街イラストマップの配布や、当日の各店舗のイラスト付き名札制作→着用を提案し、商店会の例会で承認され、友人のデザイナーにお願いし制作を進めています。-活動テーマは「機会を捉えて各店舗のPRする!!」

(3)消費者のご意見が商店街を活かす

実は、前述のお店の名札アイデアは、平成20年度の杉並区消費者懇談会で得たものです。消費者代表のPTAの方が「何のお店の方か分かったら、もっと話しやすいのに!」と商店街関係の出席者に仰ったのです。→「そうか、商店の人もお店のアピールが足りないんだ!消費者は求めているのに、何ともったいない!」-そう思ったことが今回の提案に繋がりました。今後も、商店街の個店のPRをバックアップしたいと考えています。