第19回杉診サロン報告書(ハッピーロード大山商店街の活動)

1月13日(金)、ハッピーロード大山商店街振興組合理事の石川政和理事からハッピーロード大山商店街の活動について講演していただきました。

1. ハッピーロード大山商店街の概要

ハッピーロード大山商店街は、東武東上線大山駅と国道254号(川越街道)を結ぶ商店街で、アーケードの長さは約560mである。昨年11月に「アド街ック天国」で紹介され、来街者数は1日3万人を超えている。H18年には、経済産業省「がんばる商店街77選」に選出され、東京都「第2回商店街グランプリ」で大賞を受賞した。

  • 商店街のモットー ;「一生づきあいします」「安心・安全・快適・楽しい」街づくり
  • 加盟店舗数 ;214店
  • アーケード全長 ;約560m
  • 来街者数 ; 約31,000人/日
  • 商圏範囲 ;半径約1km
  • 来街手段 ;徒歩,自転車 「近隣型」商店街
  • 営業  ;朝10時開店~夜8時閉店,火曜日定休が多い。
  • 歩行者天国 ;午後1時より9時まで(毎日)

2.ハッピーロード大山商店街の最近のあゆみ

  • 平成17年:全国ふる里ふれあいショップ「とれたて村」開店
  • 平成20年:「コミニュティボード」設置、「ハローTV」の開始
  • 平成21年:アーケード改修とLED照明の完成
  • 平成22年:国内クレジット(CO2)排出権)取引初めて認証、とれたて村「村民(会員)」組織スタート、「ハッピースクエア」(イベントスペース)オープン
  • 平成23年:板橋区社会福祉協議会と共同でコミニュティ事業スタート

3.実施事業

アーケード管理,コミニュティ,ポイントカード,アンテナショップ、売り出し事業を実施している。年間予算は、約2.1億円である。

4.全国ふる里ふれあいショップ「とれたて村」事業について

(1)コンセプト

  • 商店街:「地方の魅力」を活用し集客を図る、市町村:「都市での商品ニーズ把握、販路拡大、観光客誘致」、板橋区:「都市交流促進」の3者のニーズを統合。
  • アンテナショップでの産品販売に加え、ふるさとイベントの開催、参加市町村への訪問等の交流で、生産者と都会のお客様の「ふれあい」の拠点活動を実施。

(2)「とれたて村」の運営

  • 事業主体;ハッピーロード大山商店街、店舗面積;約18坪(賃借)
  • 営業時間;10時~19時、年中無休、従業員;店長+スタッフ4(全員パート社員)
参加市町村 14自治体(稚内市、小樽市、岩見沢市、北秋田市、横手市,尾花沢市、最上町、南魚沼市、妙高市、大野市、かすみがうら市、鴨川市、東京都八丈町,八代市)
契約関係 自治体と直契約。窓口は市町村、物産協会,公社等で、参加費は4.2万円/月
品揃え 約1200アイテム。中心は、毎日の生活に必要な生鮮品、惣菜、加工食品、玄米、酒,生花等。
陳列 市町村別でなく、カテゴリー別に陳列。料理の仕方、食べ方をPOPで伝える。スーパーの展示と同一。
発注方法 週に2~3回、各市町村にFAX等で発注。商品は宅配便で入荷。全品買い取り契約。
運送料 地方からの商品運送料の全額を「とれたて村」が負担している。

(3)ポイント

  • 市町村にとって、ローコストで都市に足掛かりができる仕組み。
  • 完全買取で生産者にとってノーリスク。運送料も「とれたて村」が負担。
  • いたばし商店街ふるさと祭り・物産展へと波及。
  • 区内の8商店街でとれたて村参加市町村のイベントを同時に開催し、板橋区商店街全体の共通イベントとして定着。
  • 会員組織「とれたて村村民」を募集し、登録者は1000人を突破。
  • 日々の買い物での特典や,ダイレクトメールで新鮮な情報、産地との交流会ツアーの優先参加券等を提供。

(4)とれたて村の取り組みの成果

  • 商店街にとって、地域の魅力を活用し、賑わい・集客力の回復が図れた。
  • とれたて村と年間120回のイベントの相乗効果で、通行量は年々増加している。
  • 各市町村にとって、商品の活性化、販路の拡大,観光PRに繋がっている。
  • 板橋区にとって、交流都市との関係が、震災以降とくに深まった。

5.ふるさとイベントについて

  • イベントを毎週のように開催(年間で120日)
  • 商店街の誘客・賑わいづくりに効果を発揮し、「とれたて村」参加市町村以外でも
  • 多数開催している。集客・実施は商店街が応援している。
  • イベントスペース『ハッピースクエア』は、利用希望の市町村が殺到している。

6.交流事業について

  • 参加した市町村を訪問するツアーの実施。
  • 市町村からの修学旅行生の商店街訪問と学生達が市町村産品の販売体験。

7.「食育」事業(学校給食への供給)

平成21年より「食育」事業として、板橋区内全小中学校給食にとれたて村より食材を供給している(76校、33,000人)。